インドアゴルフ施設の計測器の選び方:ボールデータとクラブデータ

この記事の結論
計測器は「誰が、何のために使うか」から選びます。レッスンで原因まで説明したいなら、ボールの数字に加えてクラブの数字が取れることが前提になり、体の動きまで見せたいなら、スイングを撮るカメラと解析ソフトが必要です。そのうえで、設置方式、使いたいソフトへの対応、打席の広さと明るさが条件に合うかを確かめます。どの機種がいちばん良いという答えはなく、用途と部屋に合うかどうかで決まります。
この記事では価格や機種の順位は扱いません。判断の軸を整理し、例として、実際に運営している施設の構成を紹介します。
まず用途を決める
同じ計測器でも、使い方によって重視する点が変わります。
| 主な用途 | 必要なデータ | 重視すること |
|---|---|---|
| 自主練の打席 | ボールの数字、できればクラブの数字 | 画面の分かりやすさ、1人で操作できること |
| レッスン | ボールとクラブの数字、スイングの映像 | 原因を説明できる項目がそろうこと |
| ラウンド・遊び | ボールの数字 | コースソフトの充実、映像の見やすさ |
| 無人運営 | 用途に応じて上の組み合わせ | 機器が動かされない設置、起動の簡単さ、左右打ちへの対応 |
1つの打席で複数の用途を兼ねる場合は、いちばん要求の高い用途(たとえばレッスン)に合わせて選ぶと、後から足りなくなる心配が減ります。
ボールデータとクラブデータの違い
ボールの数字は「結果」、クラブの数字は「原因に近い情報」です。たとえばスライスは、ボールの数字だけでも右に曲がったことは分かりますが、それがフェースの開きによるものか、軌道によるものかまでは分かりません。クラブの数字があると、その切り分けができます。
例として、天井設置型の UNEEKOR EYE XO2 は、ボールとクラブの両方を計測し、次の項目を表示します。
| 分類 | 項目 |
|---|---|
| ボール | Ball Speed、Launch Angle(垂直・水平)、Back Spin・Side Spin(Spin Rate)、Spin Axis、Total Spin、Carry と効率 |
| クラブ | Club Speed、Smash Factor、Face Angle、Club Path、Face to Path、Attack Angle、Spin Loft、Lie Angle |
レッスンで特に使うのは、Face Angle・Club Path・Face to Path(曲がりの原因)、Attack Angle と Spin Loft(高さとスピンの原因)です。検討している機種がどの項目を出せるかは、カタログの表記だけでなく、実際の画面で確かめるのが確実です。
なお、この項目の中に打点(フェースのどこに当たったか)は含まれません。打点を確かめたいときは、打点シールやスプレーを併用します。
設置方式:天井か床置きか
計測器の置き方は、大きく天井に取り付ける方式と、床に置く方式に分かれます。どちらにも向き不向きがあり、具体的な条件は機種ごとに違います。
| 観点 | 天井設置型の一般的な傾向 | 床置き型の一般的な傾向 |
|---|---|---|
| 足元 | 床に機器がないので打席が広く使える | 機器を置く場所を打席の近くに確保する |
| 位置のずれ | 固定されるので、利用者が動かしにくい | 動かせる反面、置き直すと位置合わせが要る機種もある |
| 導入の手間 | 天井への取り付けと配線の工事が要る | 比較的始めやすい |
| 左右打ち | 機種ごとの対応を確認する | 機種によっては置き直しが必要 |
無人で運営する施設では、利用者が機器を動かしてしまっても、その場で直す人がいません。この点で、位置が固定される方式は扱いやすい選択肢です。一方、1台を複数の場所で使い回したい場合などは、動かせることが利点になります。
計測の方式(カメラで撮る方式、レーダーで追う方式など)によって、必要な奥行きや設置の条件も変わります。導入前に、メーカーが示す設置条件を必ず確認してください。
カメラによるスイング解析
ボールとクラブの数字が分かっても、「体のどこが原因か」は数字だけでは見えません。そこを補うのが、スイングを撮るカメラと解析ソフトです。
例として Golph.club Suminoe では、正面と後方の2台の高速カメラ Swing Optix と、UNEEKOR の練習ソフト VIEW に入っている AIトレーナーを組み合わせています。AIトレーナーはスイングを7つの局面に分け、64のチェックポイントを自動で判定し、問題を赤、できていれば緑で示します。1スイングの解析は5秒未満です。
カメラ解析を選ぶときは、次の条件を確認します。
- 解析できる番手:AIトレーナーの場合、ドライバーからピッチングウェッジまでは解析し、AW・SW・LW とパターは解析しません
- 左打ちへの対応:AIトレーナーは、正面カメラの位置の関係で、左打ちを正しく解析できない場合があります
- 明るさ:カメラ解析は部屋を明るくして使う前提です
ソフトの対応
計測器は、組み合わせるソフトによって使い道が変わります。練習用とラウンド用で、それぞれ何が使えるかを確かめます。
| ソフトの役割 | 確かめること | 例(上記の施設の構成) |
|---|---|---|
| 練習 | 数字の表示、記録、スイング解析との連動 | VIEW(AIトレーナー) |
| ラウンド | コースの数、練習モード、設定の自由度 | GSPro(2,400以上のコース、OKパットやマリガンの設定、9ホールのハーフも可) |
| 実在コース・ミニゲーム | 実在コースの再現、グリーンの情報 | GAMEDAY(実在コースを再現した50以上のコース、傾斜のヒートマップ、スティンプ値の表示) |
使いたいソフトが、その計測器に対応しているかは必ず確かめます。
打席の広さと明るさ
必要な寸法は機種と方式で違うので、ここでは数字ではなく、確かめる観点を挙げます。
- 天井の高さ:ドライバーをフルスイングしても当たらないこと。背の高い利用者も考えます
- 幅:左右どちらの打ち方でも振れること。コースの画面を見る人やコーチが立つ位置も含めます
- 奥行き:スクリーンまでの距離と、計測方式が求める条件
- 照明:カメラ解析は明るさが要り、コースの映像は暗いほうが見やすい。切り替えられる照明にしておくと両立できます
例に挙げた施設は、60平米の打席を1組で使い、照明を音声で切り替えています。どの施設でも、打席の床は平らで傾斜の体感はなく、長いパットの再現には限界がある、という前提は利用者に伝えておくと誤解がありません。シミュレーターと屋外の違いはシミュレーターと屋外の違いで詳しく扱っています。
選ぶときの進め方
- 主な用途と、来てほしい利用者の姿を決める
- 用途に必要な計測項目と、カメラ解析の要否を決める
- 使いたい練習ソフトとコースソフトを決め、対応する計測器に絞る
- 部屋の天井高・幅・奥行き・照明を測り、メーカーの設置条件と照らし合わせる
- 可能なら実機で打ち、数字の出方と画面の使い勝手を確かめる
- 保守の窓口、故障時の対応、ソフトの更新の仕組みを確認する
6は導入の検討では後回しにしやすい項目ですが、無人運営では特に大切です。機器が止まると、その間の予約がすべて影響を受けるからです。
よくある失敗
- 機種を先に決めてから、使いたいソフトが対応していないと気付く
- レッスンに使うのに、クラブの数字が足りない構成にしてしまう
- カメラ解析を入れたのに、照明が暗くて使いにくい
- 左打ちの利用者への案内を用意していない
導入の進め方をまとめて相談したい施設の方は、施設向けの導入案内を参考にしてください。
よくある質問
Q. ボールの数字だけの計測器では、レッスンは難しいですか?
結果の確認や距離の把握はできますが、曲がりの原因がフェースか軌道かを数字で切り分けるのは難しくなります。原因まで数字で説明したいレッスンなら、クラブの数字が取れる構成のほうが向いています。
Q. 天井設置と床置きでは、どちらが正確ですか?
設置の場所だけで正確さは決まらず、計測の方式や機種、設置条件によって変わるため、一概には言えません。検討している機種を、実際の打席に近い条件で試して確かめるのが確実です。
Q. 左打ちの利用者には、どう対応すればいいですか?
計測器とカメラ解析のそれぞれについて、左打ちへの対応を確認します。対応に制約がある場合は、予約の前に分かるように案内し、ボールとクラブの数字を中心に使ってもらうなど、使い方を示しておきます。
この練習に必要な環境
この記事のとおりに練習するには、次の環境が必要です。
- ボールとクラブの両方を測る計測器初速・打ち出し角・スピンに加えて、フェースの向き・軌道・入射角まで測れること(例:UNEEKOR EYE XO2)
- スイングを撮る高速カメラと AI 解析正面と後方からスイングを撮り、局面ごとの崩れを自動で示せること(例:UNEEKOR の AIトレーナー)
- コースを再現するシミュレーションソフト本番と同じ流れでラウンドし、狙いと番手選びを練習できること(例:GSPro)
- グリーンの傾斜やライの影響を表示できるソフト傾斜のヒートマップやライによる初速の変化が見えること(例:GAMEDAY)
- 人目を気にせず集中できる貸切の打席1球ごとに数字を確かめ、試し、記録するには、自分のペースで使える空間が要ります
- 決まった時間に通える予約の仕組み練習は続けてこそ。空き状況を見て予約し、無人でも入室できる仕組みがあると通いやすくなります
この練習ができる場所
運営元の施設 Golph.club Suminoe北加賀屋駅 徒歩6分・Uneekor EYE XO2・AIトレーナー・GSPro
ヒャクギリの運営会社(株式会社田中大介)が運営している施設です。
このレッスンを、あなたの施設で
計測器・シミュレーションソフト・予約と無人入室の仕組みまで、Golph.club Suminoe で実際に運用している構成の導入をご相談いただけます。
導入について見るこの記事は ヒャクギリ編集部(株式会社田中大介)が、Golph.club Suminoe の設備(UNEEKOR EYE XO2・AIトレーナー・GSPro)での練習を前提にまとめました。Golph.club Suminoe は株式会社田中大介が運営している施設です。数値の目安には個人差があります。痛みがあるときは練習を中止し、専門家に相談してください。