ロングパットの距離感:3パットを減らす練習

この記事の結論
ロングパットは「入れる」練習ではなく、「2打目が入る距離に残す」練習です。目標は、1打目をカップから半径1m以内に止めること。距離は力加減ではなく振り幅で打ち分け、テンポは毎回同じにします。
3パットを減らすいちばんの近道は、方向より縦の距離を揃えることです。
なぜ3パットになるのか
長い距離では、向きのずれより距離のずれのほうが結果に大きく響きます。計算で比べてみます。
| ずれの種類 | 10mのパットでの影響 |
|---|---|
| 打ち出しの向きが1度ずれる | カップの横に約17cm |
| 転がる距離が1割ずれる | カップの手前か奥に1m |
10mで1度は、構えたときにはほとんど気付かないくらいのずれです。それでも横には17cmしかずれません。ところが強さが少し違うだけで、縦には1mずれます。ロングパットで2打目が難しくなるのは、たいてい縦の距離が原因です。
縦の距離がずれる理由は、おもに次の3つです。
- 力加減で調整している:その日の体調や緊張で、同じ「このくらい」が変わります
- テンポが毎回ちがう:同じ振り幅でも、速く振ればボールは強く出ます
- 上り・下りと速さを読んでいない:同じ10mでも、上りと下りでは必要な強さが大きく違います
振り幅と距離の基準をつくる
自分の振り幅を3段階に決め、それぞれ何m転がるかを覚えます。
| 振り幅 | 目印(右打ちの例) | 使う場面 |
|---|---|---|
| 小 | ボールから右足の内側まで引く | 短めの距離の基準 |
| 中 | 右足の外側まで引く | 中くらいの距離の基準 |
| 大 | 右足の外側から靴1足分さらに引く | 長い距離の基準 |
何m転がるかはパター、グリーンの速さ、テンポで変わるので、ここは自分で測って埋めます。出しの大きさは、引きと同じか少し大きくします。
シミュレーターで確かめる
| 見ること | 確かめ方 | 目安 |
|---|---|---|
| 1打目の止まった位置 | カップの何m手前・奥に止まったかをメモ | 半径1m以内 |
| ショートの数 | 10球のうちカップに届かなかった数 | 3球以下(届かなければ入らない) |
| オーバーの量 | カップを過ぎた距離 | 30〜50cm程度を基準にする |
| 同じ振り幅の前後の幅 | 同じ振り幅で5球 | 1m以内 |
| グリーンの速さ | GAMEDAY のスティンプ値 | 数字が大きいほど速い。メモしておく |
ショートの数を3球以下にしたいのは、届かないパットは入る可能性がないからです。一方でオーバーが50cmを超えて大きくなると、返しのパットが難しくなります。「カップを30〜50cm過ぎる強さ」を真ん中にして、ショートとオーバーの両方を小さくしていくのが、3パットを減らす近道です。
GAMEDAY ではグリーンの速さがスティンプ値で表示されます。コースごとにスティンプ値と「中の振り幅で何m転がったか」をメモしておくと、速さが変わったときの振り幅の調整を数字で覚えられます。
なお、室内の長いパットは、転がり出しの速さと向きからソフトが計算した結果です。距離が長いグリーンの再現には限界があるので、ここでつくるのは「同じ振り幅で同じ距離が出る再現性」と考えてください。その日の芝に合わせる最終調整は、コースの練習グリーンで行います。
2打目を入れやすくする考え方
1m以内に止めるといっても、どこに残すかで2打目の難しさは変わります。
- 上りを残す:傾斜があるときは、カップより低い側に止まると2打目が上りになり、迷わず強めに打てます
- 下りの長いパットは控えめに:下りでオーバーすると、返しも下りになります。カップを少し過ぎるくらいを上限にします
- 横に外れるより、縦を揃える:横の50cmは2打目で修正しやすいので、まずは縦の距離を優先します
コースで基準を使う手順
室内でつくった振り幅の表を、コースで使うための手順です。
- ボールからカップまでを歩き、歩数で距離をつかみます(自分の1歩が何mかを事前に測っておきます)
- 上りか下りか、速いか遅いかを確かめます
- 振り幅の表から「中」「大」などを選び、上りなら1段階大きく、下りなら1段階小さくを出発点にします
- 素振りで振り幅を確かめてから、決めたテンポで打ちます
距離を「感覚」ではなく「歩数と振り幅」の言葉で決めると、緊張した場面でも同じ手順で打てます。
練習ドリル
ドリル1:3段階の振り幅の基準づくり
- メトロノームを鳴らし、テンポを決めます(決め方はパターのテンポを一定にする)
- 「小」の振り幅で5球打ち、1球ごとに止まった距離をメモします
- 「中」「大」も同じように5球ずつ打ちます
- それぞれの平均と、前後の幅を出します
合格ライン:3段階の距離が重ならず、それぞれ5球の前後の幅が1m以内。 重なる場合は、振り幅の差を大きくするか、テンポを見直します。
ドリル2:打った直後に「予想」を言う
- 打ったらすぐに目を閉じ、結果を見る前に「ショート」「ぴったり」「オーバー」のどれかを声に出します
- 目を開けて画面で結果を確かめ、予想が当たったかを記録します
- 10球続けます
合格ライン:10球中7回以上、予想が当たる。 当たるようになると、ストロークの手応えと距離が結び付いてきます。コースで2打目の残り距離が読めるようになるのも、この感覚があるからです。
ドリル3:ラウンドの1打目だけを記録する
- GSPro で9ホールのハーフを選び、OKパットを使わない設定にします
- グリーンに乗ったら、1打目のあとにカップからの残りが1m以内だったかを○×で記録します
- 上りか下りかも一緒にメモします
合格ライン:9ホールで3パットが1回以下、1打目の○が9回中5回以上。 ×が下りに偏るなら下りのタッチ、上りに偏るならショートが課題です。傾斜の見方はグリーンの傾斜を読むを参考にしてください。
よくある失敗
- 入れようとして強く打ち、1m以上オーバーする
- 届かないのを怖がり、毎回カップの手前で止まる(届かなければ入る可能性はありません)
- 距離が長くなるとテンポまで速くなる
- 振り幅を決めずに、その場の感覚で引く大きさを変える
- 室内の結果だけで安心し、ラウンド当日の練習グリーンを省いてしまう
- 3パットの記録を取らず、上りと下りのどちらで多いのかが分からない
練習メニューの例
30分の例です。
| 時間 | 内容 | 合格ライン |
|---|---|---|
| 0〜5分 | メトロノームで素振り | 10回テンポに合う |
| 5〜15分 | ドリル1:3段階の振り幅×5球 | 重ならず、幅1m以内 |
| 15〜22分 | ドリル2:予想を言う10球 | 7回以上当たる |
| 22〜28分 | 中の振り幅だけで10球 | 10球中8球が目標の1m以内 |
| 28〜30分 | 振り幅と距離をメモ | 次回の基準を更新する |
よくある質問
Q. ロングパットは何mから練習すればいいですか?
まずは自分の「中」の振り幅で転がる距離を基準にし、そこから短い側・長い側に広げるのがおすすめです。いきなり長い距離から始めるより、基準が1つできると他の距離も覚えやすくなります。
Q. 室内とコースで距離が合わないのはなぜですか?
グリーンの速さと芝の状態が違うからです。室内でつくるのは「同じ振り幅で同じ距離が出る」再現性です。スタート前に練習グリーンで10mを3球打ち、中の振り幅で何m転がるかを確かめて、その日の基準に合わせてください。
Q. 上りと下りはどう打ち分けますか?
最初は「上りは振り幅を1段階大きく、下りは1段階小さく」と決めて試し、結果を見て調整するのが分かりやすい方法です。どれくらい変えるかは傾斜の強さとグリーンの速さで変わるので、ドリル3の記録で自分の傾向をつかんでください。
この練習に必要な環境
この記事のとおりに練習するには、次の環境が必要です。
- コースを再現するシミュレーションソフト本番と同じ流れでラウンドし、狙いと番手選びを練習できること(例:GSPro)
- グリーンの傾斜やライの影響を表示できるソフト傾斜のヒートマップやライによる初速の変化が見えること(例:GAMEDAY)
- 人目を気にせず集中できる貸切の打席1球ごとに数字を確かめ、試し、記録するには、自分のペースで使える空間が要ります
- 決まった時間に通える予約の仕組み練習は続けてこそ。空き状況を見て予約し、無人でも入室できる仕組みがあると通いやすくなります
この練習ができる場所
運営元の施設 Golph.club Suminoe北加賀屋駅 徒歩6分・Uneekor EYE XO2・AIトレーナー・GSPro
ヒャクギリの運営会社(株式会社田中大介)が運営している施設です。
このレッスンを、あなたの施設で
計測器・シミュレーションソフト・予約と無人入室の仕組みまで、Golph.club Suminoe で実際に運用している構成の導入をご相談いただけます。
導入について見るこの記事は ヒャクギリ編集部(株式会社田中大介)が、Golph.club Suminoe の設備(UNEEKOR EYE XO2・AIトレーナー・GSPro)での練習を前提にまとめました。Golph.club Suminoe は株式会社田中大介が運営している施設です。数値の目安には個人差があります。痛みがあるときは練習を中止し、専門家に相談してください。